「最近、体がだるくて、調子が悪いのは年のせいかな」と、70代になった方々の多くがそう感じていることでしょう。
しかし、その原因が「食べ物の味」にあることを知っていましたか。
私たちの食卓に欠かせない醤油や味噌、インスタント食品、レトルト食品などには、人工調味料や化学調味料が多く含まれています。
長年の積み重ねで、これらが体に与える影響は思った以上に大きいのです。
特に高齢期になると、味覚が鈍くなり「もっと濃い味がほしい」とついつい塩分を多く摂ってしまいがち。
それが高血圧や心臓病、腎臓の負担につながり、体調不良の悪循環を生んでいることがあります。
では、どうすれば健康的な食生活を取り戻せるのでしょうか。
答えは「減塩」ですが、ただ塩を減らすだけでは味気なくなって長続きしません。
ここでは、素材の味を活かした賢い減塩の知恵をご紹介します。
- 昆布や干しシイタケ、カツオ節などの天然だしを使うことで、塩分を抑えても満足感のある味わいに仕上げられます
- 酢やレモン、柚子の香りを活用すると、酸味が塩味を引き立て、実際の塩分を減らしても「しっかり味がする」と感じられます
- 食器を少し小さめにしたり、よく噛んで食べる習慣をつけると、満腹中枢が刺激され、自然と食塩摂取量が減ります
70代からでも遅くはありません。
人工調味料に頼らず、食材本来のうまみと香りを大切にする食生活に少しずつ切り替えていくことで、体の調子は確実に変わってきます。
長く続けられる、無理のない減塩を目指して、今日から一緒に始めてみませんか。
70代の体調不良、本当の原因は食生活にあった

「年を取ったからしょうがない」と諦めている方、少なくないのではないでしょうか。
70代になって体調が優れない、朝起きたときのだるさが抜けない、昼間に眠気が襲ってくる。
そんな症状を「加齢」と片付けてしまいがちですが、実はその原因の多くは「日々の食生活」に隠れていることが少なくありません。
私自身、60代後半から体調の変化を感じ始め、医者に相談した際に言われたのが「塩分を見直してみてください」ということでした。
当時は「塩分くらいでそこまで体が変わるわけない」と半信半疑でしたが、食事の内容を振り返ってみると、確かに毎日の味噌汁は濃いめ、おかずは醤油ベース、夜はレトルト食品やインスタントラーメンを食べることが多く、無意識のうちに塩分を大量に摂取していたことに気づきました。
体調不良の「見えない犯人」
70代になると、味覚が鈍くなるため「もっと濃い味がほしい」と自然と塩分を増やしてしまう傾向があります。
しかし、高齢期の体は若い頃とは代謝が違い、余分な塩分を排出する能力が落ちています。
結果として、塩分が体内に滞留し、血圧を上げ、心臓や腎臓に負担をかけ、さらに体のだるさや浮腫み、不眠などの症状を引き起こしているのです。
特に気をつけたいのは、「味が濃くないから塩分は少ないはず」という思い込みです。
例えば、甘いパンや菓子類、サラダドレッシング、漬物などは、味の濃さとは関係なく相当な量の塩分が含まれています。
また、レトルト食品や冷凍食品、インスタント食品には、保存料や人工調味料として化学調味料が多く使用されており、これらが体の不調を加速させているケースも少なくありません。
食生活の見直しが健康の第一歩
体調不良の原因を「年齢」ではなく「食事」に求めることは、決して悲観的なことではありません。
むしろ、食生活は毎日の積み重ねで変えられるものです。
70代からでも十分に遅くはありません。
まずは、自分の食卓に何が並んでいるのか、調味料の成分表示を一度じっくり見てみることから始めてみてください。
人工調味料に頼らず、食材本来のうまみを活かした食事に少しずつ切り替えていくことで、体の調子は確実に変わってきます。
次の章では、そんな食生活の改善に役立つ「減塩」の具体的な知恵を、実践的にお伝えしていきます。
人工調味料が体に与える意外な影響とは

私たちの食卓に欠かせない醤油や味噌、インスタント食品には、実は多くの人工調味料が含まれています。
若い頃は気にならなかったものも、70代になると体への影響が大きく変わってきます。
人工調味料は一見便利で、手軽に「美味しい味」を作り出してくれますが、長年の積み重ねで体に与える負担は、思った以上に大きいものです。
特に高齢期になると、体の代謝機能が低下しているため、若い頃と同じ量を摂取しても排出が追いつかず、体内に蓄積しやすくなります。
味覚の変化が招く塩分の過剰摂取
70代になると、誰もが少なからず味覚の変化を感じ始めます。
舌の味蕾が減少し、味を感じる力が弱まるため、ついつい「もっと濃い味がほしい」と塩分を多く摂取してしまう傾向があります。
これは自然な老化現象ですが、問題はその変化に気づかずに、若い頃と同じ食生活を続けてしまうことです。
- 味噌汁を濃いめに作る、醤油をたっぷりかける、漬物を食卓に出す頻度が増える
- レトルト食品やインスタント食品、冷凍食品を主食にする機会が増える
- 外食や惣菜の購入が増え、自分では塩分量をコントロールできなくなる
このように、味覚の変化が塩分の過剰摂取を招き、さらに体調不良を悪化させる悪循環が生まれてしまうのです。
特に高齢期は、満腹中枢も鈍くなりがちなので、味が濃いほどついつい食べ過ぎてしまい、結果として塩分摂取量が増えてしまいます。
味覚の変化を受け入れ、塩分を意識的に減らす工夫をすることで、この悪循環を断ち切ることができます。
化学調味料と高血圧・腎臓病の関係
化学調味料の代表であるグルタミン酸ナトリウムは、うまみを引き出す効果が高く、多くの加工食品に使用されています。
しかし、このグルタミン酸ナトリウムにはナトリウムが含まれており、塩分と同様に血圧を上昇させる作用があります。
つまり、塩分だけでなく、化学調味料も高血圧のリスクを高める要因になっているのです。
高血圧はそのまま放置すると、心臓病や脳卒中の原因となります。
さらに深刻なのは腎臓への負担です。
腎臓は体内の余分な塩分を尿として排出する役割を担っていますが、70代になると腎機能が自然と低下しており、過剰な塩分や化学調味料を処理する能力が弱まっています。
長期間にわたる過剰摂取は、腎臓病の発症や進行を加速させる危険性があります。
- 化学調味料を含む食品を毎日摂取していると、知らないうちにナトリウムの摂取量が推奨値を大きく超える
- 腎臓の働きが弱まると、体内に水分が溜まりやすくなり、浮腫みや倦怠感が増す
- 高血圧と腎臓病は互いに悪影響を与え合い、症状を悪化させる
だからこそ、70代からは人工調味料や化学調味料に頼らない食生活を意識することが、健康維持のために非常に重要なのです。
次の章では、そんな食生活を実現するための「減塩」の具体的な知恵をご紹介します。
減塩しても美味しい「天然だし」の活用法

減塩といえば「味が薄くて物足りない」というイメージを持たれる方が多いかもしれません。
しかし、塩分を減らしても、食材本来のうまみを引き出す「天然だし」を使えば、満足感のある美味しい食事を十分に楽しむことができます。
人工調味料に頼らなくても、日本の食文化には長年培われた「うまみを出す知恵」が豊富にあります。
70代からでも、これらを取り入れることで、食事がぐっと豊かになります。
昆布・干しシイタケ・カツオ節で作る基本だし
日本の和食の根幹である「だし」は、減塩生活にとって最も頼りになる味の土台です。
昆布のグルタミ酸、干しシイタケのグアニル酸、カツオ節のイノシン酸という、それぞれ異なるうまみ成分が組み合わさることで、塩分を抑えても深みのある味わいが生まれます。
- 昆布だしは水に昆布を浸して火にかけ、沸騰する直前に昆布を取り出すだけで、まろやかなうまみが抽出できます
- 干しシイタケは水で戻した戻し汁をだしとして使うことで、香り豊かでコクのある味に仕上がります
- カツオ節は昆布だしの中に入れて煮出すことで、二重のうまみが重なり合い、満足感が増します
これらを組み合わせた「合わせだし」は、味噌汁の他、煮物やうどんのつゆ、茶碗蒸しなど幅広く使えます。
塩分を半分にしても、だしのうまみが全体を包み込むため、味の薄さを感じさせません。
私も毎朝、前日の夜に昆布を水に浸しておき、朝にカツオ節を加えてだしを取る習慣をつけましたが、味噌汁が格段に美味しくなり、家族も「最近の味噌汁は違う」と言ってくれるようになりました。
野菜のうまみを引き出す炒め方のコツ
だしを使った煮物や汁物だけでなく、炒め物でも天然のうまみを活かすことができます。
野菜にはそれぞれうまみ成分が含まれており、火の通し方次第でそのうまみが引き出されたり、失われたりします。
- 玉ねぎやにんにくは、弱火でじっくり炒めることで甘みとうまみが増し、塩分を抑えても味に深みが出ます
- しいたけやエリンギなどのきのこ類は、中火で表面を軽く焦がすように炒めると、香ばしさとうまみが凝縮されます
- トマトは少し煮詰めることで、自然な酸味とうまみが引き立ち、醤油を減らしても十分な味わいになります
また、炒める際に少量のごま油を使うことで、香りが食欲を刺激し、塩分が少なくても「しっかり味がする」と感じられます。
野菜を炒めた後に、昆布だしを少し加えて煮含めるようにすれば、うまみが野菜全体に染み込み、見た目も味も一層豊かになります。
こうした工夫を積み重ねることで、減塩は「我慢」ではなく「食の楽しみ方の変化」として受け入れられるようになるのです。
酸味と香りを使った「錯覚調味」で塩分を半分に

減塩生活で最も難しいのは、「味が薄くなってしまう」という感覚をどう克服するかです。
しかし、実は塩分そのものを増やさなくても、「錯覚調味」という工夫で十分な味わいを感じさせることができるのです。
錯覚調味とは、酸味や香りを活用することで、脳が「しっかり味がする」と認識する仕組みを利用した調理法です。
これは科学的にも裏付けられており、70代の方でも簡単に取り入れられる知恵です。
酢・レモン・柚子で爽やかな味わいに
酸味には、塩味を引き立てる効果があります。
同じ塩分濃度でも、酢やレモン、柚子などの酸味を加えることで、味がぐっと締まって「しっかり味がする」と感じられるのです。
これは酸味が舌の味覚を刺激し、塩味の受容体を活性化させる作用によるものです。
- 酢は煮物の仕上げに少し加えるだけで、全体の味に透明感が出て、塩分を減らしても満足感が増します
- レモンは魚料理やサラダに絞ることで、爽やかな酸味が食材のうまみを引き立て、醤油を減らしても美味しく食べられます
- 柚子は冬の味覚として親しまれていますが、果汁だけでなく香りも活用することで、和食の奥行きが深まります
特に魚料理にはレモンが最適です。
塩焼きの魚にレモンを絞れば、塩分を半分にしても十分な味わいがあります。
酢の物も、酢の酸味が主役になるため、塩分を控えめにしても食欲をそそる一品に仕上がります。
私も最近は、煮物の仕上げに酢を数滴垂らすことを習慣にしましたが、家族も「最近の煮物はさっぱりして美味しい」と言ってくれるようになりました。
柑橘類の皮を使った薬味レシピ
果汁だけでなく、柑橘類の皮に含まれる香り成分も錯覚調味には欠かせません。
皮に含まれるリモネンやリナロールなどの芳香成分は、食欲を刺激し、食事の満足感を高めてくれます。
香りは味覚と深く関係しており、良い香りがすると脳が「美味しい」と判断するため、塩分が少なくても十分に満足できるのです。
- 柚子の皮を細く刻んで、味噌汁やおひたしに散らすことで、香りが立ち上り、塩分を抑えても風味豊かになります
- みかんやレモンの皮を乾燥させて粉末にし、炒め物や煮物にふりかけると、柑橘の爽やかな香りが料理全体を包みます
- すだちの皮は、お蕎麦やうどんの薬味として使うことで、つゆの塩分を減らしても満足感のある一杯になります
皮を使う際は、農薬が気になる場合は有機栽培のものを選ぶか、塩水でしっかり洗ってから使用してください。
乾燥させた皮は密封容器に入れて冷暗所で保存すれば、数ヶ月間使えますので、一度作っておくと毎日の調理に便利です。
香りは見えない調味料ですが、減塩生活を豊かにする最も効果的な味の演出と言えるでしょう。
食べ方の工夫で自然と塩分が減る生活習慣

減塩生活を続ける上で、調味料や食材を見直すことはもちろん大切ですが、実は「食べ方」を少し変えるだけで、自然と塩分の摂取量を減らすことができます。
70代になっても、長年の食習慣を急に変えるのは難しいものです。
しかし、食器の大きさを変えたり、噛む回数を意識したりするような、小さな工夫を積み重ねることで、無理なく減塩が実現できるのです。
小皿・小鉢を使った「少量多品目」の食卓
日本人の伝統的な食文化である「一汁三菜」は、実は減塩に最適な食事スタイルです。
大きなお皿にたっぷり盛られた一つのおかずを食べるのではなく、小さな皿や鉢に少しずつ種類を増やすことで、満腹感を得ながら塩分を分散させることができます。
- 小皿に盛ることで、自然と一つのおかずの量が減り、塩分の総摂取量が抑えられます
- 品目が増えることで、味の変化が楽しめ、どれも少しずつ食べることで飽きずに食事を楽しめます
- 色とりどりの食材が並ぶことで、視覚的な満足感が高まり、味の濃さに依存しなくなります
私も実践していますが、大皿から取り分けるのではなく、最初から小鉢に盛り付けるようにすると、ついつい食べ過ぎてしまうことが防げます。
特に漬物や惣菜など塩分が高めのものは、小皿に少しだけ盛ることで、「食べた」という満足感は得られながら、実際の塩分量は大幅に減らせます。
また、小鉢に盛った煮物は、見た目が華やかになり、食卓全体が豊かに感じられるのも嬉しい点です。
よく噛む習慣が満腹感と健康を生む
「よく噛んで食べる」というのは、誰もが子供の頃から聞いてきた言葉ですが、70代になってもっと意識すべき大切な習慣です。
よく噛むことで、満腹中枢が刺激され、少量の食事で満足感を得られるようになります。
これは、食事の量を自然と減らし、結果として塩分の摂取量も減らす効果があります。
- 一口を30回以上噛むことを目安にすると、食事のスピードが遅くなり、脳に「満腹」の信号が届く時間が稼げます
- 噛むことで唾液が分泌され、消化酵素が働き、胃腸の負担が軽減されます
- 味覚が鈍くなった70代でも、長時間口の中で味わうことで、食材のうまみをじっくり感じられます
噛む回数を増やすだけで、食事時間が15分から20分長くなることもありますが、それは決して無駄ではありません。
ゆっくりと味わう時間は、食事の質を高め、「もっと食べたい」という衝動を抑える自然な方法でもあります。
私も最近は、テレビを消して食卓に向かい、一口一口丁寧に噛むことを心がけています。
最初は意識的でしたが、今では自然な習慣になり、食後の胃もたれやむくみも減ってきたように感じています。
食べ方を変えることは、調味料を変えること以上に、健康な食生活を支える土台になるのです。
スーパーで見分ける「隠れ塩分」の食品選び

減塩生活を始めても、毎日すべてを手作りするのは現実的ではありません。
スーパーで買うレトルト食品や惣菜、調味料なども、生活の中で欠かせない存在です。
しかし、これらの食品には「隠れ塩分」と呼ばれる、見た目では分からない塩分が多く含まれていることがあります。
70代の方が無意識に摂取している塩分の多くは、実はこうした食品から来ているのです。
商品の表示を正しく読み、賢く選ぶことで、大幅に塩分を減らすことができます。
レトルト食品・インスタントの見方
レトルト食品やインスタント食品は、手軽で便利な反面、保存のために塩分が多く使われています。
しかし、すべてが高塩分というわけではありません。
表示を見る習慣をつけることで、塩分量を比較して選ぶことが可能です。
- 表示の「食塩相当量」を確認し、1食あたり2グラム以下を目安に選ぶと良いでしょう。厚生労働省の目標値は1日6グラム未満ですので、1食で3分の1を超えないように意識します
- 「ナトリウム」の表示がある場合は、食塩相当量に換算するにはナトリウムの量(ミリグラム)を400で割るとおおよその塩分が分かります
- カレーやシチューなどのレトルト食品は、1食分で3グラムを超えるものが多いため、半分の量を使い、残りは野菜でかさ増しする工夫をすると塩分が抑えられます
また、インスタントラーメンは麺とスープの両方に塩分が含まれているため、スープをすべて飲まない、あるいは麺だけを別のだしで食べるという方法も有効です。
レトルト食品を選ぶ際は、パッケージの「減塩」表示だけでなく、必ず成分表示を確認する習慣をつけてください。
同じ種類の商品でも、メーカーによって塩分量は大きく異なります。
「減塩」表示の落とし穴と本当の選び方
「減塩」と書かれた商品は安心して選べるように思えますが、実は落とし穴があります。
「減塩」はあくまで「通常の商品より塩分を減らした」という意味であって、必ずしも低塩分とは限らないのです。
- 「減塩25%」と表示されていても、元の商品の塩分が5グラムあれば、減塩後も3.75グラムと依然として高塩分です
- 「塩分カット」や「塩分オフ」という表示も、基準がメーカーによって異なるため、必ず食塩相当量の数値を確認することが大切です
- 醤油や味噌などの調味料も、「減塩」表示のものを選ぶ際は、通常品と並べて成分表示を比較してみてください
本当に低塩分の商品を選ぶには、「食塩相当量」が1グラム以下、あるいは100グラムあたり1.5グラム以下という目安を持つと良いでしょう。
特に高齢期は味覚が鈍くなっているため、味の濃さではなく数値で判断することが重要です。
私も以前は「減塩」と書いてあれば安心して買っていましたが、成分表示を比較してみると、意外と塩分の高いものが多いことに気づきました。
今では買い物の際、必ずメガネをかけて成分表示を確認するのが日課になっています。
スーパーでの数分の確認が、1日の塩分摂取量を大きく変えることになります。
70代から始める減塩生活、今日からできる第一歩

これまでお伝えしてきた減塩の知恵を、どこから始めればよいか迷われている方もいらっしゃるでしょう。
しかし、減塩生活は「今日から」始められます。
70代になったからといって、長年の食習慣を一気に変える必要はありません。
むしろ、無理なく続けられる小さな第一歩を踏み出すことが、何より大切です。
急激な変化は体に負担をかけ、途中で挫折してしまう原因にもなります。
一つ一つの習慣を少しずつ変えていくことで、自然と健康的な食生活が身についていくのです。
まずは「味噌汁」から始めてみる
日本の食卓に欠かせない味噌汁は、減塩生活を始める上で最も効果的な出発点です。
毎日飲むものですから、ここを変えるだけで1日の塩分摂取量は大きく変わります。
- 味噌の量を今の半分にし、代わりに昆布だしや干しシイタケのだしをたっぷり入れることで、塩分を半分にしても満足感のある味わいに仕上がります
- 具材を大根やにんじん、豆腐、わかめなど、うまみのある食材でかさ増しすると、味噌が減っても食べ応えがあります
- 仕上げに少しだけ酢を垂らす、あるいは柚子の皮を散らすことで、香りと酸味が塩味を引き立てます
私も最初は味噌の量を減らすのに抵抗がありましたが、だしをしっかり取るようになってからは、むしろ「味噌の味が深く感じられる」と家族も言ってくれるようになりました。
味噌汁ひとつを変えるだけで、朝の食卓がぐっと軽やかになり、食後の喉の渇きも減りました。
調味料の「買い替え」から始める
買い物の際に、調味料を減塩タイプに切り替えるのも効果的な第一歩です。
醤油や味噌、ソースなどは、毎日使うものですから、ここを変えるだけで大きな違いが生まれます。
- 醤油を「減塩醤油」に切り替える際は、必ず成分表示を比較して選びましょう。塩分が25%減のものでも、実際の数値で1グラム以下のものを選ぶのが理想です
- 塩そのものを「塩分50%カット」のものに変えると、料理の味付けの感覚を変えずに塩分を半減できます
- マヨネーズやケチャップも減塩タイプに切り替えると、サラダや和え物の塩分が自然と減ります
ただし、減塩調味料に切り替えたからといって、量を増やして使うのは逆効果です。
「同じ量を使う」という意識を持ち続けることが大切です。
私は減塩醤油に切り替えた当初、つい「味が薄いから少し多くかけよう」と思いがちでしたが、だしを使うようになってからはその必要もなくなりました。
調味料の買い替えは、新しい食習慣への第一歩として最も手軽で効果的です。
食卓の「見た目」を変える工夫
減塩は味の問題だけではなく、食卓の見た目も大きく関係しています。
小皿や小鉢を使い、色とりどりの食材を並べることで、視覚的な満足感が高まり、味の濃さに依存しなくなります。
- 白いお皿に緑の野菜、赤いトマト、黄色い卵焼き、茶色い煮物を並べると、彩りが豊かで食欲がそそられます
- 大皿ではなく小鉢に盛り付けることで、自然と一つの量が減り、塩分の総摂取量が抑えられます
- 食卓に花を飾ったり、好きな食器を使うことで、食事の時間が特別なものになり、味へのこだわりが和らぎます
70代からの減塩生活は、決して「我慢の生活」ではありません。
むしろ、食材本来の味を大切にし、食事の時間を豊かにする生活への転換です。
今日から一つ、小さなことを変えてみてください。
それが、明日の体調を変える第一歩になります。
長く続けられる、無理のない減塩を目指して、一緒に始めてみましょう。
まとめ:人工調味料を減らして、素材の味で体を整える

これまでお伝えしてきた内容を振り返ってみると、70代の体調不良の原因の一つが「食生活」、特に人工調味料や過剰な塩分の摂取にあること、そしてそれを改善するための「減塩」の知恵が、意外と身近で簡単なものであることがお分かりいただけたのではないでしょうか。
年を取ると「体調が悪いのは仕方ない」と諦めがちになりますが、実は日々の食事を少し変えるだけで、体の調子は確実に変わってきます。
人工調味料に頼っていた食生活から、昆布や干しシイタケ、カツオ節などの天然だしを使った食事へ。
塩分を減らしても、酢やレモン、柚子の香りを活かした「錯覚調味」で満足感を保つ。
小皿や小鉢を使い、よく噛んで食べる習慣をつける。
そしてスーパーでの買い物の際には、成分表示をしっかり確認して「隠れ塩分」を見抜く。
これらはどれも、今日から始められる、無理のない工夫ばかりです。
70代からでも遅くはありません。
むしろ、この年代だからこそ、長年の食習慣を見直し、体に優しい食生活へと切り替える価値があるのです。
若い頃は仕事が忙しく、手軽な加工食品や外食に頼ることが多かった方も多いでしょう。
しかし、今は自分の時間を大切に使える年代です。
朝のだしをじっくり取る時間、食事を味わう時間、これらは決して無駄ではなく、自分の体と向き合う大切な時間です。
減塩生活を続けるうちに、きっと気づくことがあります。
それは、人工調味料の濃い味に慣れていた頃には感じられなかった、食材本来の繊細な味わいや香りの豊かさです。
昆布のまろやかなうまみ、干しシイタケの芳醇な香り、レモンの爽やかな酸味、柚子の皮の清々しさ。
これらはすべて、塩分を減らして初めて味わえる、日本の食文化が持つ本当の魅力です。
体調の改善は、一朝一夕には現れないかもしれません。
しかし、毎日の食事を変えていくことで、三ヶ月後、半年後には、きっと変化を感じられるはずです。
朝の目覚めが軽くなる、昼間の眠気が減る、足の浮腫みが引く、血圧の数値が安定する。
そんな小さな変化の積み重ねが、健康な老後の土台を作っていきます。
最後に、減塩生活を無理なく続けるための心がけをお伝えします。
それは「完璧を求めすぎない」ことです。
たまに外食で塩分が多いものを食べてしまったとしても、次の食事で調整すれば十分です。
家族のイベントで濃い味の料理を楽しんだとしても、それは人生の楽しみの一つです。
「大体良し」で続けることが、何より大切です。
無理に我慢して途中で挫折するより、緩やかに楽しみながら続けることで、長い目で見ればはるかに大きな効果が得られます。
人工調味料を減らし、素材の味を大切にする食生活。
それは、体を整えるだけでなく、食事の時間を豊かにし、日々の生活に潤いを与えてくれます。
70代から始める減塩生活は、健康への投資であり、自分自身を大切にする時間の始まりです。
今日から一歩踏み出してみてください。
素材の味が、きっとあなたの体を優しく支えてくれます。


コメント